「杜の都ジャンプアップ事業 for 2013」では、大学内でのさらなる女性研究者比率向上のため、新規採用を積極的に行っています。このページでは、新規採用となった女性研究者を紹介しています。採用を希望する方は、「公募」ページの「新規採用」をご覧ください。

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年

農学研究科 動物微生物学分野 教授
磯貝 恵美子

「細菌と闘う・共存する・利用する」を研究テーマとしています。抗菌ペプチドの構造と活性といった実験室内での仕事からアフリカでのフィールドワークまで幅広く仕事を手掛けています。アフリカでは農業での自立を目指しながら、貧困と食糧不足に直面している多くの国があります。希少感染症や難病など誰かのために役に立つ仕事、それが明日へ紡がれる希望となる研究となることを望んでいます。現在印刷中を含めて、原著論文は241、総説29、著書27、あと3本でちょうど300になります。生まれも育ちも江戸っ子(途中から北海道人)です。赴任したばかりで「寒さと闘う・段ボールと共存する・ごみを利用する」日々が続きました。

生命科学研究科 発生ダイナミクス分野 教授
杉本 亜砂子
H24・7月 総長特別補佐就任

「私はどうして両親に似ているのか」という子供の頃の素朴な疑問から『遺伝子』に興味を持ち、今に至っています。親から受け継いだゲノム(遺伝情報)に書き込まれたプログラムにしたがって、私たちのカラダは作り上げられています。そのプログラムを理解するために、シンプルな構造を持つ線虫をモデル系として、遺伝学・細胞生物学・分子生物学・生化学・ゲノム科学的技術を統合的に用いて研究をすすめています。杜の都 仙台での新たな出会いを楽しみながら、生命の不思議を明らかにしていく過程の楽しさを伝えられるような教育をしていきたいと考えています。

理学研究科 物理学専攻 准教授
関口 仁子

専門は原子核物理学の実験です。核子多体系の原子核では、その元となる核力を理解する事が肝心です。現在は、三つの核子間で働く“三体力”に興味を持って研究しています。実験は主に、学外の加速器施設である、理化学研究所のRIビームファクトリーや大阪大学核物理研究センター等で行っています。さて、研究テーマに事寄せて。“三”という数字には物事の発展、完成、無限の匂いを感じます。研究のみならず、色々な物事を理解、把握して行く上で“二”に留まらず、“三”の概念へと進める素養を高める事が大切なのではないか、と考えています。大学では、元気な学生さんたちと“知力”“体力”“気力”の”三力?”を振り絞って一緒に研究する事を楽しみにしています。

電気通信研究所 助教
青沼 有紀

生体力学 (バイオメカニクス) を専攻する立場から、生命現象と力学的環境の相互作用を、細胞レベルで明らかにすることを研究テーマとしています。これまでは、骨組織を対象とし、骨代謝現象を調節する骨系細胞の力学応答特性に関する研究をおこなってきました。このたびの赴任は、これまでの機械工学の軸足に加えて、電気・電子工学からの視点を養うチャンスをいただいたと思っております。細胞動態のメカニズムを力学的に解釈し、多様な工学的手法の援用により明らかにすることで、医工学分野への基礎的知見を提供するような研究を展開できればと考えています。駆け出しのいち研究者として、まだまだ不相応な点もありますが、日々課題に愚直に向き合うことで成長していく所存です。

工学研究科 応用物理学専攻 助教
井原 梨恵

私は「酸化物ガラスの高機能化」に関する研究を行っています。酸化物ガラスは透明で容易に成形できることから、窓ガラスやコップといった生活に欠かせない材料である一方、光ファイバーなど光学部品として現在の高速大容量通信網を支えています。実は、透明なガラスを使って光を「受動的」に制御することは大変難しいことです。私の研究では、ガラスを使って光を効率良く制御するため、ガラスの結晶化という現象を利用していますが、結晶の析出形態の制御など解明すべき点が多くあり知的好奇心は尽きません。頂いたこのチャンスを通し、周囲の研究者や学生と切瑳琢磨し教育・研究に携わって行きたいと思います。

工学研究科 建築構造工学講座 助教
ガヴァンスキ 江梨

台風・ハリケーンなどといった強風による建物被害を中心に研究しております。今回の東日本大震災により自然災害というと地震というイメージが世界的に一層強まったかと思いますが、自然災害による経済的損失の半数以上は実は風によるものです。社会生活において不可欠であり、そして多くの人々にとっては最大の財産である建物への被害低減に貢献できるという点において、自らの研究にとても大きな魅力を感じております。今回、自身の出身大学である東北大学において更なる研究の場を与えていただき感謝すると同時に、私が海外で学んできた耐風工学に関する知識と経験を学生に広く伝えられるよう、研究者・教育者として、周りの協力を得ながら、更に精進してまいりたいと考えております。

生命科学研究科 生態システム生命科学専攻 助教
黒川 紘子

専門は植物生態学です。今まで、マレーシアの熱帯雨林、小笠原諸島、ニュージーランドなどでフィールドワークを行ってきました。例えば、マレーシアの熱帯雨林では、たった52haの場所に1200種以上の樹木を見ることができます。この数は、日本で見られる在来維管束植物の約2割を占めます。植物は何故このように多様に進化したのか、そしてその多様性が植物を利用する他の生物や生態系、そして人間社会に果たす役割は何なのか、ということを明らかにするために研究を進めています。研究に対する初心を忘れず、共同研究者や学生の皆さんと楽しく研究することで、日々精進していきたいと思います。

農学研究科 資源環境経済学講座 助教
高篠 仁奈

途上国の経済発展と貧困削減政策の在り方について研究しています。アジア各地の多様な農村共同体に応じた援助の在り方を探求することを目指し、インドネシアのジャワ農村やインドの西ベンガル州を事例として取り上げ、共同体内の規範や助け合いの精神、リスクへの態度といった要素を考慮に入れながら、隣人間での金融取引の成立メカニズムや、効果的な小規模融資プログラムの方向を検討しています。東北大学の素晴らしい環境で研究・教育に携わる機会を頂けたことに感謝し、これからも沢山の人と関わって行けるよう、日々精進したいと思います。

工学研究科 電気・通信工学専攻 助教
田中 のぞみ

私は核融合プラズマに用いられるプラズマ診断や加熱のための粒子ビームの研究を行っています。エネルギー問題と地球温暖化が日々深刻になってゆく現代において、原子力の利用が再び注目され、核融合エネルギーの利用は次世代のエネルギー源として重要な候補の一つです。人々の暮らしに関わる工学的な研究でありながら、物理的に解明するべき部分も多く、国際協力を必要とするチャレンジングな分野であるという点で興味を持ち、関わって5年になります。自分自身も様々な人々に学びながら、学生に研究の楽しさを伝え、また将来の選択肢が増えるようなロールモデルになれること目標に努力してまいります。

医工学研究科 医工学専攻 助教
沼山 恵子
H24・9月 准教授へ昇任

私は、分子生物学・細胞生物学・発生生物学的実験手法とバイオインフォマティクスにより、種々の転写制御因子による遺伝子発現の制御機構を研究してきました。並行して医療工学技術者の育成プロジェクトの講師も務めながら、二人の子供を産み育てています。子育て真っ最中の私に研究の場を与えていただいたことに大変感謝しております。女性に始めて門戸を開いた歴史を持ち、自分自身の出身大学でもある本学において、女性がますます活躍していくことは私の願いでもあります。皆様からのお力添えもいただきながら、これまでの経験と身につけてきた知識・技術を活かして研究・教育に励んでいきたいと思います。

金属材料研究所 生体材料学研究部門 助教
稗田 純子

古来より、常に文明の発達、人類の発展とともにあり続けた金属材料。私たちの身近にあり、なくてはならないものです。そんな金属の魅力に惹かれ、もっと金属のことを知りたいという欲求に駆られ、金属材料研究所へ飛び込みました。これまでは、表面機能性の観点から、金属の表面処理に関する研究を行ってきました。
現在、生体と金属について興味を持ち、医療用の生体機能性金属材料について研究を行っています。新しい分野にもチャレンジしつつ、その根底にあるものを探求し、修得していきたいと願っております。まだ赴任したばかりですが、世の役に立つ研究者となるべく、日々奮闘いたしたく存じます。