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2021年度 東北大学優秀女性研究者賞「紫千代萩賞」受賞者コラム

岡田 彩[情報科学研究科 准教授]
国立東京学芸大学附属高等学校 卒業
慶應義塾大学総合政策学部総合政策学科 卒業
一橋大学大学院社会学研究科地球社会専攻博士前期課程 修了
米国University of Pittsburgh Graduate School of Public and International Affairs Master of International Development課程 修了
[米国University of Pittsburgh Graduate School of Public and International Affairs PhD 課程 修了 PhD(Public and International Affairs)]
2013年~2016年 同志社大学政策学部・助教
2016年~2019年 金沢大学国際基幹教育院・准教授
2019年-現在 東北大学大学院情報科学研究科・准教授


紫千代萩賞を受賞してのご感想をお願いします。

このような賞に選んでいただき、大変光栄に存じます。「ますますがんばれ!」と背中を押していただいたように感じています。私は元来ポジティブ思考な人間なのですが、日々の研究生活では、できなかったこと、至らなかったことばかりが目についてしまいます。そんな中で、こうして評価の証をいただくことは、一つ大きな励みになります。
受賞をきっかけに、大野総長をはじめ、多くの先生方とお話する機会を頂戴したこと、また所属する情報科学研究科にて、様々な先生方に声をかけていただいたことも、大変うれしく思いました。この受賞を原動力に変えて、今後も前に進んでいく所存です。

先生のモットーは?

「来るもの拒まず」
目の前にやってきたチャンスは、最初から否定せずに、まずはやってみる、あるいは、どうやったらできるかを考えるようにしています。ただし、時間とエネルギーと集中力は有限だ、という事実を忘れないことも重要です。キャリアを積み重ねながら、バランスよく取捨選択する力を身につけていきたいと考えています。

今後の抱負をお聞かせください。

私は、人々が寄付やボランティアをする背景は、実に多様で、かつ多層的であると考えています。「社会に貢献する」「他の人の役に立つ」というフレーズが頻繁に聞かれますが、「良い人だと思われたい」「進学や就職に有利になる」という自己中心的な考えも大いにあり得ます。「頼まれて断り切れず」「面子を保つために、しかたなく」ということもあるでしょうし、「儲かった人は社会に還元すべき」というプレッシャーを感じての行動かもしれません。「ひまだった」「なんとなく」など、特別な考えがないことも、十分あり得ます。
社会学という学問分野を基盤に、寄付やボランティア活動が持ち得る意味の幅広さ、豊かさを描き出す作業を通じて、人々が寄付やボランティア活動に向き合う新たな視点の提示を目指しています。そうすることで、NPO(非営利組織)などが、より効果的・効率的に、寄付やボランティア活動を促進できるよう、貢献していきたいと考えています。

最後に後輩達に向けたアドバイスやメッセージをお願いします。

成し遂げたいことを信じて歩み続けると、その実現につながるドアがどこかに見つかると、私は考えています。留学中に得た最大の学びです。怖いもの知らずだった私は、「この先生に論文を読んでもらいたい」「こういう研究プロジェクトに参加してみたい」など、恐れ多い望みを持っていました。特別なことを仕掛ける力などありませんでしたが、日々研究と向き合っていると、その実現に近づくためのドアが見つかり、ドキドキしながら開けてみると、また次のドアが見つかって・・・という経験を何度もしました。その積み重ねが、今日の自分を形作っていると感じています。
どこかにドアがあると信じて、探し続けてください。そして、ドア見つけたら、絶対に飛びついて、勇気をもって開けてみてください!


[研究内容紹介]皆さんは、金銭や物資(食糧や本、洋服など)の寄付、あるいは、時間やスキルを提供するボランティア活動をしたことはありますか。日々の暮らしの中にも、そのチャンスが多く存在する、寄付やボランティア活動ですが、よく考えてみると、なかなか不思議な行動です。まず、別にやらなくても、困りません。むしろ、自分のお金や時間、体力を減らすことにつながります。さらに、私的(プライベート)な資源を個人や組織が投じる行為でありながら、その帰結として、社会的な課題の解決など、公的(パブリック)な目的達成に関わるという構造を持っています。
こと日本社会において、寄付やボランティア活動は、他者や社会に貢献する「尊い」「良い」行動として語られる傾向が見られます。しかし、それは、一人ひとりにとって異なる意味を持ち得る行動ではないでしょうか。このような立場から、現代社会における寄付やボランティア活動の特徴を探求しています。
[研究キーワード]市民社会、寄付、ボランティア、NPO・NGO、社会貢献

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