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平成30年度 東北大学優秀女性研究者賞「紫千代萩賞」受賞者コラム

石綿 はる美 [法学研究科 准教授]
東京大学法学部 卒業、東京大学法曹養成専攻 修了、2012年-現在 法学研究科


紫千代萩賞を受賞してのご感想をお願いします。

このような賞を受賞することができ、大変光栄に思います。そして、大学・研究科を取り巻く環境が厳しいにもかかわらず、素晴らしい研究環境を与えて下さっている法学研究科の同僚の先生方に心から御礼申し上げたいと思います。同僚の先生方との議論の過程で、研究についてのヒントをいただくこともしばしばありました。また、学生さんたちとの講義や演習での議論の中でも同様のことがありました。東北大学で研究・教育を行うことができる幸せを改めて感じております。今後は、この賞に恥じないように、研究・教育に励んでまいりたいと思っています。

先生のモットーは?

全力投球

今後の抱負をお聞かせください。

研究面では、従来取り組んできた研究テーマをさらに深めるとともに、社会における相続の役割、そして相続が行われる「家族」というのは何か、といったことを考えていきたいと思います。今、家族を巡る様々な問題があります。同性婚は認められるのか、生殖補助医療を利用して生まれた子の法的地位はどうなるのか、高齢化社会において高齢者の財産管理をどのように行っていくのか等々、法学者が考えなくてならない問題はたくさんあります。このような様々な現代社会の問題について取り組んでいきたいと考えています。

最後に後輩達に向けたアドバイスやメッセージをお願いします。

研究生活は、大変なことももちろんありますが、自分の興味・関心に基づき、研究テーマを選び、自分で設定した課題について探求していくということは、知的好奇心が刺激される、とても楽しい過程でもあります。どんな能力よりも、コツコツ努力するという気持ち・姿勢が一番大切だと私自身は思っています。「研究する」ということに興味がある人は、是非、勇気をもって一歩を踏み出してみてください。私も、研究大学院において研究者を志す皆さんと一緒に研究活動を行うことで、皆さんの研究生活のスタートのお手伝いをしたいと思います。


[研究内容紹介]法学の中でも、市民生活の基本となる民法、その中でも特に物に関する物権法と相続法を専門としています。具体的には、遺言によって、ある人に財産を遺贈するものの、その財産を売るなどして処分してはいけないというような条件を付けることは認められるのか、という点について研究しています。民法の原則では、人は自分の財産を自由に処分ができるはずです。そうすると、遺言者も自分の望む方法で財産を処分できるはずですが、財産をもらう人(受遺者)も、本来はもらった財産を自由に処分できるはずになります。この対立する二つの当事者の関係をどのように解決するべきなのか、ということを明らかにすることを目指しています。
[研究キーワード]民法

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