郭媛元[学際科学フロンティア研究所 助教]
2008年9月-2012年7月 中国電子科技大学 (UESTC) 電子情報工学部 卒業
2010年10月-2011年8月 東北大学工学部 電気情報物理工学科Junior Year Program in English (JYPE)交換留学
2012年10月-2014年3月 東北大学大学院工学研究科電子工学専攻博士前期課程 修了(短縮)
2014年4月-2017年3月 東北大学大学院 医工学研究科 医工学専攻 博士後期課程 修了 博士(医工学)
2017年4月-2018年1月 東北大学大学院生命科学研究科
2018年2月-現在 東北大学 学際科学フロンティア研究所
海外経験:
2014年9月-2015年3月 MIT 留学
2015年10月-2016年9月 Virginia Tech 留学
2019年10月-12月 École Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) 留学
2020年2月−8月 MIT 留学
紫千代萩賞を受賞してのご感想をお願いします。
私は研究者として東北大学に育て頂き、研究者としての大切な心構えも本学で養いました。この度、本学から栄誉ある本賞を賜り、大変うれしく光栄に存じます。誇らしい気持ちよりも、恐縮な気持ちでいっぱいです。
東北大学に来て10年以上経ち、その間、多くの恩師の皆様、優秀な仲間や学生の方々に恵まれ、さまざまなご支援を頂き、心より感謝申しあげます。これからも初心を忘れず、研究を楽しく進めながら、世の中に役に立つ研究者になれるように頑張ってまいります。また、東北大学への恩返しとして、恩師に育てて頂いたように、次世代の学生や研究者の教育にも尽くしていきたいと考えております。
先生のモットーは?
上善は水のごとし (上善若水)
今後の抱負をお聞かせください。
2019年に東北大学で、熱延伸装置を自ら組み立てました。熱延伸装置の導入により、本学で多機能ファイバの開発を自立的に進められるようになりました。最近、独立して生体内ファイバ電気化学センシングの分野を新たに開拓することができました。また、未踏の領域である可動ファイバの開発も成功しました。現在多機能ファイバは生体内の多様な信号とインターフェースすることができますが、今後、生体内への応用だけではなく、材料・電気化学・電子工学・医学などの分野を融合し、汎用性がある多機能ファイバ(繊維)技術の基盤を構築し、ヘルステックの次世代を担うスマートファイバ及び衣服の研究開発を進めていきたいと思います。さらに、これらの多機能繊維応用技術について、社会での実用化に向けた様々な展開も積極的に模索していきたいと考えています。
最後に後輩達に向けたアドバイスやメッセージをお願いします。
研究を進めていると、必ずしもいつも順調に進められるわけではありません。順調な時は、自信過剰にならないようにし、困っている人に手を差し伸べてぜひ助けてあげて下さい。また、上手くいかない時には落ち込むこともあるでしょう。でも、諦めず挑戦し続けてみて下さい。自分を信じ、きちんと準備して進めていれば、どんなに状況であっても必ず乗り越えられます。
また、研究も、人生も、色々新しいこともありますので、試してみたいことがあれば、失敗を恐れず、ぜひチャレンジしてみてください。失敗しても、新しい経験となり、成長に繋げることもできます。再度挑戦しても良いと思います。
[研究内容紹介]私は脳機能の理解や脳病態の解明のため、脳内の多くの信号を同時に測定・操作できる技術を開発しています。光通信用のファイバは日常生活の中で広く用いられていますが、私はその光ファイバを制作する熱延伸技術を改良し、一本の細いファイバの中に光のみならず、電極、微小流路、バイオセンサ、アクチュエータなどの機能も集積できる多機能ファイバの開発を行っています。さらにこのファイバを利用し、今までの技術では解決できなかった生物学、特に脳科学の課題にも挑戦していきたいと考えております。
[研究キーワード]多機能ファイバ、神経工学、生体電子工学