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【コラム】 リーダーになりませんか

栗原 和枝 [原子分子材料科学高等研究機構 (WPI-AIMR) 教授・主任研究者 多元物質科学研究所 ナノ界面化学研究分野 教授]

あなたはリーダーになりたいと考えていらっしゃるだろうか。従来、女性は家庭を守り、働いても補助的な仕事という男女分業の考え方があった。意識しないとなかなか変わりにくい社会の気分のために、この「コラム」欄もあるのかもしれない。二つの経験を書いてみたい。 ある学会の女性対象のシンポジウムの講師をつとめた時、懇親会での若い女性技術者との会話:「最近、リーダーになるように上司に言われているのだけれど、困ったなあと思っています」。どうして困っているのかよくわからなかったが、大変闊達な方で、上司は彼女に活躍して欲しいと期待し、チャンスあるいは研鑽の機会をと思っておられる気がした。あまり例のないことをするのは億劫かもしれない。でも、仕事をしていくのなら、スキルを上げ、可能性を広げる機会は感謝して受けるべきではないかと答えた。 国際純正ならびに応用化学連合(IUPAC)は、2011年以来、国際女性化学者賞を2年毎に授与している。その基準は、研究における業績、ならびに教育または社会や組織におけるリーダーシップまたはサービス等となっていて、女性も研究者として優れた業績を挙げながら、社会の一員としても活躍することの大切さが強調されている。 若い人たちには、「研鑽を積み、是非リーダーとしても活躍してください」と伝えたい。そのうち、女性リーダーという言葉はなくなるはずである。

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