【日 時】 2026年3月10日(火) 14:00-15:30
【会 場】 ハイブリッド開催
(オンライン:Zoom, 会場:東北大学片平北門会館2階 エスパス)
【対 象】 一般参加可
【ポスター】 詳細は、こちらから


3月10日、国際女性デー記念 第9回紫千代萩賞授賞式・受賞講演会を開催しました。2017年度に創設された紫千代萩賞は、東北大学において優れた研究を展開する女性研究者を顕彰するもので、2021年度より3月8日の国際女性デーを記念したイベントとして開催しています。
受賞者である、「人文・社会科学分野」で松平 泉 助教(学際科学フロンティア研究所)、「理学・工学 分野」で鈴木 杏奈 准教授(流体科学研究所)、「農学・生命科学分野」で久我 奈穂子 助教(学際科学フロンティア研究所)、「医歯薬学・保健分野」で宇井 彩子 准教授(加齢医学研究所)の4名の授賞式・受賞講演を行いました。本学DEI推進委員会の副委員長である梅津 理恵 教授教授より、審査評が述べられた後、冨永総長から受賞者一人一人へと賞状が渡されました。

DEI推進センター 副センター長 佐々木 成江 教授

総長 冨永 悌二

総長特別補佐(DEI推進担当) DEI推進委員会 副委員長
梅津 理恵 教授

松平 泉 助教(学際科学フロンティア研究所)

鈴木 杏奈 准教授(流体科学研究所)

久我 奈穂子 助教(学際科学フロンティア研究所)

宇井 彩子 准教授(加齢医学研究所)

続いて、受賞者それぞれによる講演が行われ、最初に「人文・社会科学分野」で松平 泉 助教(学際科学フロンティア研究所)の研究紹介がありました。松平泉助教は、MRIを用いた脳構造の親子間類似性が性別によって異なることを解明しました。従来の母子中心の研究を超え、父親を含む独自の多世代データセットを活用。子の脳は「母親似、父親似、両親似、非類似」の領域がモザイク状に分布しており、そのパターンに性差があることを特定しました。遺伝、環境、兄弟比較を組み合わせたこの研究は、個性の生物学的基盤や「自分らしさ」の形成過程を紐解く新たな道を切り拓く研究として評価されました。

「理学・工学 分野」で鈴木 杏奈 准教授(流体科学研究所)は、地熱エネルギー開発における「深い不確実性」の下での意思決定を研究しています。地下の複雑な状況をすべて再現しようとする従来の精緻なシミュレーションとは異なり、数理モデル、実験、不確実性分析を統合する手法を採用しています。これにより、限られた可視性の中でも予測に真に必要な「本質的な構造情報」を特定し、持続可能で信頼性の高い地熱開発を実現するための新たな指針を提示しています。

「農学・生命科学分野」で久我 奈穂子 助教(学際科学フロンティア研究所)は、脳と身体の相互作用が感情や記憶に与える影響を研究しています。独自に開発した「脳と末梢臓器の生理活動同時計測システム」を用い、迷走神経の活動が脳機能や個体の行動に深く関与していることを解明しました。この研究は、ストレスや社会的な反応における脳と身体の通信の重要性を浮き彫りにしています。これらの知見は、心身の相関を生物学的に裏付け、精神疾患の新たな理解や治療法の創出に寄与することが期待されています。

最後に、「医歯薬学・保健分野」で宇井 彩子 准教授(加齢医学研究所)の研究紹介がありました。先生は、ゲノムの安定性維持と、その破綻が引き起こす老化やがんのメカニズムを研究しています。特に「ゲノムの盾」と称されるクロマチンの動態に着目し、DNAの傷を修復し保護する分子レベルの仕組みを解明しました。この基礎研究を通じて、がん細胞特有の「隠れた脆弱性」を特定することを目指しています。先生の研究は、副作用を抑えた精密な標的治療法の開発など、次世代の医療への貢献が期待されています。
当日は、冨永悌二総長、田中真美副学長(ダイバーシティ担当)の他、受賞者の所属研究科長らも参加され、受賞を祝いました(参加者50名、関係者含む)。

DEI推進委員会 委員長 田中真美

受賞者一覧
| 研究分野 | 氏 名 | 所 属 | 所 属 | 業績名 |
| 人文・社会科学分野 | 松平 泉 | 学際科学フロンティア研究所 | 助教 | その人らしい人格の形成における世代間伝達の役割の研究 |
| 理学・工学 分野 | 鈴木 杏奈 | 流体科学研究所 | 准教授 | 持続的な地熱資源利用と地域共創のデザインに関する研究 |
| 農学・生命科学分野 | 久我 奈穂子 | 学際科学フロンティア研究所 | 助 教 | 脳と末梢臓器の相互作用を支える神経基盤の研究 |
| 医歯薬学・保健分野 | 宇井 彩子 | 加齢医学研究所 | 准教授 | ゲノム安定性におけるクロマチン構造制御と発がん機構の研究 |
※所属や役職は受賞当時のもの
- 東北大学優秀女性研究者賞「紫千代萩賞」の詳細は、こちらから。
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