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2019年度 東北大学優秀女性研究者賞「紫千代萩賞」受賞者コラム

関口 仁子 [理学研究科 准教授]
私立桜蔭高等学校 卒業、東京大学理学部物理学科 卒業、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士前期課程 修了、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士後期課程 修了 博士(理学)、2010年-現在 理学研究科 物理学専攻


紫千代萩賞を受賞してのご感想をお願いします。

このような賞を頂き、大変光栄に思っております。一緒に研究を進めている共同研究者の皆様、研究室の学生、そして東北大学において教育・研究する機会と環境を供与して下さった先生方、関係者各位に、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

先生のモットーは?

一歩ずつ前へ、時に思い切る。

今後の抱負をお聞かせください。

私は、原子核の中で働く三体核力(三体力)という核力の研究を行っています。長くこの研究に携わっていますが、これまで、三体力の「存在の証明」、そして「実験による理論の検証」という立場で研究を進めてきました。いよいよこれから「実験から三体力を決める」方向に舵を切りたいと目論んでいます。まさに我々の実験データが試される時でもあり、うまくいけば、その先に広がる新しい物理が開ける時になるだろう、と考えています。

最後に後輩達に向けたアドバイスやメッセージをお願いします。

好きなことを見つけて一生懸命に取り組むことが大事と思っています(研究者にとっては、あたり前の事でしょうか……)。これから様々な経験をされることと思います。一つ一つの出会いを大切に頑張って頂きたいと思います。私自身はあまり器用な方ではありませんが、国内外の友人も含む周囲の方々の協力と、そして恵まれた環境があって、これまで自分の思う研究を進めることが出来ている、と考えています。


[研究内容紹介]原子核の中で働く核力、なかでも三体力と呼ばれる核力に関する実験研究を進めています。三体力は、中性子と陽子にもう一つの核子が近づくことで新たに生じる核力です。元素合成の鍵となってくる中性子過剰な原子核や,超新星爆発や中性子星の性質の理解に三体力が重要な役割を果たすのではないか、と考えられています。私のグループでは、少数系というプローブを駆使して、三体力の性質を明らかにする研究を進めています。
[研究キーワード]原子核物理、少数系、三体力

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