【日 時】 2022年7月6日(水)15:00-17:00 【開催形式】 オンライン(Zoom)開催 【対 象】 学生・教職員・一般の方 【主 催】 東北大学経済学研究科西出研究室・経済学部NPOゼミナール 【共 催】 東北大学経済学研究科SDGsラボ 【参加者数】 68名
2022年7月6日(水)15:00-17:00、オンラインZoomにてNPO・社会イノベーター セミナー「研究-教育-組織-〈わたし〉を往復する―LGBTQやセクシュアル&ジェンダー・マイノリティによる/に対する企業・NPO実践の功罪」を開催いたしました。学生・教職員・一般の方を対象にし、当日は68名が参加しました。
本セミナーでは、京都大学経営管理大学院特定助教の柳淳也先生をお招きして、「研究-教育-組織-〈わたし〉を往復するー LGBTQやセクシュアル&ジェンダー・マイノリティによる/に対する企業・NPO実践の功罪」というテーマでご講演いただきました。講演前には、NPOゼミ生による事前学習会を開き、LGBTQ+・SOGIに関する基礎知識を身につけてもらうことで、講演の理解度が上がるようにしました。柳先生には、LGBT支援活動を始めた想い、性の多様性教育実践、ゲイ男性の開業行動に関する研究、組織経営におけるSOGIの課題や取り組み等、多岐にわたるテーマについてご講演いただきました。その後、参加者との活発な議論が交わされました。本セミナーを通して、性の多様性に関して自分たちにできることは何かを再考する機会となりました。
参加者の声
- ご講演は、規範的な議論に終止せず、実践から見た学術的議論に対する違和感も丁寧にご説明されており、充実した内容だと感じました。
- LGBTQ+の方々へ向き合ううえで、「アライ」など使用する言葉自体が差別的な意味を含むということは一歩踏み込んだ核心のような気がした。そのほかにも異性愛を当然とするか否かでLGBTQ+の向き合い方の認識が変わるというのも納得でき、モヤモヤしていたものが少し晴れたような気がしました。
- 様々な分野の相談支援をしているNPOが、持続的に活動していくには、現状ではどうしても委託他の行政補助に頼らざるを得ません。そうすると制度からこぼれ落ちて救えない人と多く出会ってしまい、補助事業の遂行と持ち出しの自主事業での補完というとりあえず折り合いをつけていく必要が出てくる、というのを思い出しました。特にマイノリティでは、社会制度が追いついておらず、既存の制度の枠内に収まるように活動しなければならない。「資本化したパレード」という話がありましたが、似たものが福祉施策にもあると感じました。
- 「ALLY」という概念に対して「他者化」しているという問題点は初めて知った観点でした。多様性が故に言語化されていない領域が多分にあり、これからも新しい概念や既存概念に対する問題点が生まれてくるのだと思うと学び続けることがいかに重要であるかを感じました。
- 実際にゲイの方のお話を聞いてもっとLGBTQに対する理解を深め、お互いに寄り添い合うような関係性を築いていきたいと思えた。
- ご講演の中で、セクマイ当事者⇔アライ、と線引きすることによる他者化のお話に強く同意しました。セクシュアリティを問い、学ぶことは即ち自らを問うことです。それを出発点に、自らの振る舞い、言語行為、眼差し、社会構造を紐解いて見てほしいと思います。
- 事前勉強会があることで、先生のお話の学びをより深めることができたと思います。
- さまざまな切り口から性の多様性について調べることができると気づけた。
- イベントを通して「性」に関する知識見解をもっと広めてみたいと思った。
- LGBTQ+の当事者の方の間でも、認識に個人差があり「声を発する人」の責任などについてご意見聞きたいなと思いました。