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【コラム】 男女ともに考える育児と介護

吉沢 豊予子 [医学系研究科 保健学専攻 教授]

今の時代「男性は仕事、女性は家庭」という古典的性別役割を示す用語は死語になりつつある。女性活躍推進に伴い共働き世帯割合は半数を超えた。家庭と仕事の両立をスマートにできるスーパーワーキングマザーはほんの一握りであり、大多数はオーディナリー(普通の)ワーキングマザーである。そうなると、男性も育児と介護を引き受けざるをえなくなり、「ケアの再割り当て」が今起こっているとも言える。 確かに、ここ数世紀、育児や介護というケアは女性の仕事であり、女性によるケア提供モデルが展開してきた。その状況で、突然「ケアの再割り当て」によって男性に割り当てられても男性は困惑し、たじろぐばかりである。あげくの果て回避行動をとる男性も少数ではあるが出てくるかもしれない、あるいはスーパーワーキングファーザーになる男性もいるかもしれない。 そこで提案であるが、男性による男性のためのケア提供モデルを構築してほしいと考えている。その手がかりを最近文献で見つけた。男性性とケアの融合である。ケアすることの意味を男性視点から見出すことが「ケアを担う」責任に繋がっていくことになるだろうと考える。そこからである。ジェンダー平等による男女ともに行う育児と介護は。

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